はじめに
数年前の大きな地震の夜、私は社員の安否をひとつひとつ電話で確認していました。「繋がらない」「折り返しがない」——そんな非効率なことを今でもやっていることに気づき、自分で作ることにしました。
今回は、私が実際に作った安否確認システムの作り方そのものを、できる限り丁寧にご紹介します。プログラミングの知識は一切不要です。コードの中身を理解する必要もありません。コピー&ペーストと、ボタンを押すだけで完成します。
完成すると何ができるのか
- 地震が起きると、対象地域に住む社員に自動でSMSが届く
- 社員はSMSのURLをタップして、30秒で安否を報告できる
- 上司は誰が報告済みで誰が未回答か、スマホで一覧確認できる
- 訓練モードで、本番そっくりの訓練を実施できる
実際の画面はこちらで試せます。 👉 **デモを見る**(社員番号は `001`〜`005`)
準備するもの
- Googleアカウント(無料)
- (SMS通知を使う場合のみ)携帯電話番号
これだけです。サーバーの契約も、開発環境のインストールも必要ありません。
作り方
STEP 1:コードを取得する
まず、私が作ったコードをGitHubという無料のコード保管サービスに置いています。難しいことはせず、ファイルをコピーするだけです。
STEP 2:スプレッドシートを作る
- Googleドライブにアクセスする
- 新しいスプレッドシートを作る
- わかりやすい名前(例:「安否確認システム」)に変更しておく
STEP 3:コードを貼り付ける
ここが一番大事な作業ですが、難しいことは何もありません。コピーして貼り付けるだけです。
- スプレッドシートのメニューから「拡張機能」→「Apps Script」を開く
- 画面に最初から入っているコードを全部選択して削除する
-
code.gsの中身を全部コピーして、そこに貼り付ける
- 画面左上の「ファイル」→「+」→「HTML」を選ぶ
- ファイル名を聞かれたら「index」と入力する(拡張子は自動でつきます)
index.htmlの中身を全部コピーして、そこに貼り付ける
- 上部の保存アイコン(フロッピーディスクのマーク)をクリックする
これでコードの準備は完了です。中身を理解する必要はありません。
STEP 4:ボタンを1回押すだけで初期設定
- 画面上部にある関数選択のプルダウンから「setupSpreadsheet」を選ぶ
- ▶(実行)ボタンを押す
- 初回は「このアプリは確認されていません」という画面が出ますが、心配いりません。「詳細」→「(プロジェクト名)に移動(安全ではないページ)」→「許可」と進んでください
- 実行ログに「
setupSpreadsheet 完了」と表示されたら成功です
スプレッドシートに戻ると、自動で必要なシートがいくつも作られているはずです。
STEP 5:社員の情報を入力する
「組織マスタ」というシートが自動で作られています。ここに社員番号・氏名・部署・住所・携帯番号などを入力していきます。エクセルの表に入力する感覚と同じです。
STEP 6:社員に配るURLを発行する
- GASエディタの右上「デプロイ」→「新しいデプロイ」を押す
- 種類は「ウェブアプリ」を選ぶ
- 「実行ユーザー」は自分、「アクセスできるユーザー」は「全員」にする
- 「デプロイ」ボタンを押す
- 表示されたURLをコピーする
このURLを社員に配れば、もう使い始められます。
SMS通知を使いたい場合(任意)
地震を検知したときに自動でSMSを送りたい場合は、Twilioという海外のSMS送信サービスと連携させます。日本ではソフトバンク経由で契約できます。契約すると、AccountSID、AuthToken、送信元電話番号を取得できます。これらを「Twilio設定マスタ」シートの所定欄に入力し、「監視地域マスタ」シートで監視する都道府県と発報基準となる基準震度を設定ください。
SMSを使わなくても、URLを社員に直接共有しておけば安否報告自体は問題なく機能します。
おわりに
エクセルマクロで仕事を効率化してきた私にとって、GASは新しい武器でした。「会社のために何か作りたいけど、エンジニアじゃないし……」と思っている総務・人事の方にこそ、ぜひ挑戦してみてほしいです。
コードは**こちら**から全文無料でダウンロードできます。また、取扱説明書も付けていますので詳細はこちらをご確認ください。
本システムはGoogle Apps Script(GAS)で動作します。Googleアカウントが必要です。SMS送信機能(任意)はTwilio(有料)を使用します。


